神様はいない of MU-web

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Introduction

愛 ★ 戦争 ★ 平和 ★ 

老舗の蕎麦屋で働く真面目な外国人留学生が、自爆テロを企んでいる日常。
蕎麦屋一家が一丸となって止めるも、誰も彼のなかの神様を否定出来ない。
蕎麦屋で進行する完全な密室劇は、胸がざわざわするハートウォーミングストーリー。

STORY

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[STORY]

老舗の蕎麦屋・澤田屋に二階では、「受賞歴無し」「重刷無し」「トラウマ無し」の小説家・澤田キリコが打ち合わせを無視した作品を上梓しようとしていた。同じく一階では、長男である信一が新興宗教「自由の会」の勧誘を受けていた。その宗教は神様すら信じていなくていいという、あまりにもカジュアルな宗教だった。

身構えてしまうような、テロ、宗教、救い、自己表現、トラウマの飽和、愛の行方たちを、あくまで"東京の視点"でカジュアルに描き、身近まで手繰り寄せたクールでシリアスで"MU"ならではのハードボイルド。

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CAST

[登場人物]

160_kiriko_1 2.jpg澤田キリコ(28)足利彩 
・・・B級小説家。事故に遭ってから足が悪いが屈折せず自分の小説を信じる。





160_kimitsu_1 2.jpg君津由和(28)橋本恵一郎 
・・・ 佐久間文庫の編集者。キリコとは幼なじみで、隠れて交際している。





160_shinichi_01 2.jpg澤田信一(36)小林至 
・・・ オーナーである父親が死別したため、蕎麦屋『澤田屋』を継ぐ。生真面目な江戸っ子。




160_shinji_1 2.jpg澤田信二(31)芦原健介 
・・・ 元戦場ボランティア。外国からアミンを連れて来た。ほぼチンピラ。





160_amin_01 2.jpgアミン(21)カトウシンスケ
・・・ 外国人留学生。ニッポン人とのハーフ。





160_mashita_01 3.jpg真下裕樹(24)寺部智英 
・・・ 澤田屋のバイト。大学院生。後に@@@@@@@となる。





160_koga_01 2.jpg古河勝(32)杉木隆幸 
・・・ 商店街の会長。文具店経営。新興宗教「自由の会」広報部。





160_kusakabe_01 2.jpg日下部幸治(30代)長谷川恵一郎 
・・・ 新興宗教「自由の会」支部長。

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舞台写真

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撮影:石澤知絵子(無断転載厳禁)

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戯曲シナリオより、一部抜粋<1>


秋葉原の奴も、小説のなかで人殺しまくってる方がまだ健全だったと思うの。


  <シーン5>

   明かりがキリコの部屋に切り変わる。
   起き上がるキリコ。
   ゆっくり立ち上がり、器用に足を引きずって椅子に座る。

   起きてまず最初にPCの電源を入れる。

   そして、ぼーっとしたまま、シーツの方を見る。
   めくれたシーツにはアミンが裸で眠っている。
   ふたりはきっと寝たのだろう。

   キリコは、鏡で自分の顔を確認する。
   コンタクトかもしれない。
   起きるアミン。ゆっくりと。鏡に映る。

キリコ あ、起きた。
アミン ・・・すみません。
キリコ 朝はおはようっていうんだよ、
アミン 知ってますけど、・・すみません
キリコ なにそれ?(小さく笑う)

   間。

キリコ あんたさ、昨日またこれでメール書いてたでしょ(PCをいじる)
アミン ・・・
キリコ 消し忘れてやんの。何回目だよ?(笑)

   慌てて、無言で消しに行くアミン。
   キリコ、それを止める。

キリコ 止めなよ、テロとか。
アミン ・・・・
キリコ 日本人のあたしが言うのもなんだけどさ、アラーとかわかんないけどさ、
アミン ・・アラーの教えでやる訳ではないです。アルカイダの奴らとは違います。それ偏見。
キリコ (飲み込めないが飲む)んん、
アミン 復讐ですから。・・個人的な、
キリコ (考え)なおさら、止めて欲しいんじゃないの?
アミン ・・・一度、日本に来れただけで充分。

   アミン、キリコのそばを離れてシーツの下にある服を探す。
   それを見つめるキリコ。

キリコ 誰が好きなんだっけ?
アミン 村上春樹とか、好きです。
キリコ あとは
アミン 井伏鱒二とか、原田宗典とか
キリコ つながりが全然わかんない(笑)
アミン でも好きです、

    間。

キリコ 小説のなかにはさ、現実に出来ないことがあるべきじゃん。
アミン ・・はい、はい(ゆっくり考えながら賛同)
キリコ いまあんたのこと膨らまして、モデルで書いてるんだ。
アミン (ぼく?などリアクション)
キリコ そう。

   キリコ、椅子から静かに身を乗り出す。

キリコ ・・・だって秋葉原のあれ見た?
アミン ・・ああ、すごい刺した、
キリコ 東京から見えるってテロってあんなんだよ。
アミン あれとは違う、
キリコ 世の中さ、うまくいかないことばっかじゃん。ならせめて小説のなかに全部ぶち込んじゃえばいいじゃんって思ってるのね。秋葉原の奴も小説のなかで人殺しまくってる方がまだ健全だったと思うの。
アミン 意味ないです、
キリコ あるよ、
アミン それは、現実じゃない。
キリコ 現実って、そんな重要?


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戯曲シナリオより、一部抜粋<2>


日下部さん、下半期から神様やるんでしょ、


   <シーン8>

   転換中はずっと、賑やかな音楽。

   信二、真下、など従業員が忙しそうな風景。
   やってくる、古河と日下部。
   とにかく澤田屋は繁盛した。
   馬鹿になっちゃうくらい。

   古賀と日下部が、庭へ出てタバコを吸っている。
   テーブルの上には食べさしの食器など。

   明転。蕎麦屋に明かりが着く。

   君津が入ってくる。
   談笑しつつも、タバコの煙で咽せている二人を見て、

君津 ガス室みたい。

   と、ガス室の二人が、君津に気付く。

古河 おっ(気付き消す)
日下部 おお、(同じく)

   嬉しそうに拍手をして迎えにくる。

古河と日下部 おめでとうございます!
君津 な、なんですか?
古河 100番。
日下部 人(にん)ですよ、人。
古河 あ、100人。あなた、本日の100人目のお客さんだ、ははは。
君津 あの、
日下部 いやあ、まさか100人まで行くとはねえ、
古河 日下部さんのお導きのおかげですよ、
日下部 いえいえ、
古河 うちの文房具屋もねえ、入会直後にボールペン全色売り切れましたからねえ。
日下部 全色?
古河 はい、(腕時計を見て)あ、でももうラストオーダー過ぎてるなあ
日下部 あらら、(君津に)ああ、すみませんねえ、せっかくの100人目なのに、
君津 そんな繁盛してたんですか?
二人 そりゃもう。
古河 うちら来たときには、二階と奥の座敷まで全部満席で。
日下部 ちょっと飲み過ぎましたねえ、
古河 祝い酒ですよ、ははは。
君津 あの、申し訳ないんですけど、ぼくお客じゃないんで。
古河 あ、そうなの?
日下部 そう来ましたか。
君津 えー、キリコさんの担当の、あ、佐久間文庫で編集やってる君津といいます。
御二人 あ〜どうも。よろしく!(など)
君津 えーっと、
古河 俺らはねえ、しんちゃんのお友達。もう全然気にしないで。酒入ってるし
君津 ははは、あ、じゃあ、御邪魔しますー

   君津、奥に入り階段を上がって行く。
   二人、それを見送り、席にもどり晩酌する。

古河 佐久間文庫・・そんなおっきくないっすよね?元角川書店のでしたっけ?
日下部 まあ、でも出版はね、使えますから。
古河 いや〜、「縁」ってすごいなあ。
日下部 ほんとですよ。
古河 全部、日下部さんから出てる縁ですよ、これ
日下部 いやいや、自由の会のお導きです。

   古河、日下部に酒をつぐ。

古河 日下部さん、下半期から神様やるんでしょ、

   日下部、やや驚く。

日下部 ・・・(まんざらでもないように)聞いてます?
古河 はははは、なんで俺にまで内緒にしてるの?
日下部 驚かそうと思って、
古河 驚きましたよ〜
日下部 まあ順番ですから、
古河 またまた。どんな神様やるんですか?
日下部 うーん、ここんとこ結構保守派だったでしょ?
古河 ああ、確かに。
日下部 私がやるなら、やっぱりスライドが大事だと思うんですよ。
古河 スライド?
日下部 あ、あくまでスライドの話です。(辺りを見渡し)澤田さん一家のように違う宗派に居た方がうちに入るのと、まったく宗教に免疫の無い方とでは、入会したあとの信仰のレベルが違います。
古河 ・・・あ〜〜〜、
日下部 この理論は判りますよね。
古河 ああ、確かに。判りやすいよ、日下部さん。レモン絞っていい?
日下部 どうぞ。

   唐揚げにレモン絞る古河。

日下部 ・・ですから、他の宗派から改宗してもらう方を増やした方がいいと思ってます。
古河 ・・奪うってことですか?
日下部 (遮り)スライドです。元々信仰心の無い方よりも、傷ついてしまった方や素質のある方を正しい宗派に導く方がよっぱど健全ではありませんか?
古河 素晴らしい(大きく頷き酒を飲む) 
日下部 ちょっと、飲み過ぎですよ。今日はまだ終わってないんですから、
古河 あ、強いんで油断してました

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FLYER

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レビュー・感想など

小劇場演劇、ダンス、パフォーマンスのレビューマガジン『wonderland(ワンダーランド)』に、MU『神様はいない』/『片想い撲滅倶楽部』両作品の劇評が掲載されました。

<「ビジネス」と「演劇」貫く世界の肯定>著・高木登氏

鵺的というユニットを主宰され、脚本家としても活躍されている高木登さんが執筆してくださっています(大感謝)。

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2012.2『今夜だけ』フライヤー裏

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『神様はいない』

MU presents 
double knockout LONG stories

ー 東京にもグラインドハウスがあった?
長篇二本同時上演 ー

『神様はいない』/『片想い撲滅倶楽部』
2009.9.10-13 at 新宿シアターモリエール
にて上演

脚本・演出
ハセガワアユム(MU)

出演
小林至(双数姉妹)
寺部智英(拙者ムニエル)
長谷川恵一郎(くろいぬパレード)
杉木隆幸
橋本恵一郎
芦原健介
カトウシンスケ(、、ぼっち)
足利彩

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>> 戯曲シナリオ

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